【アバック横浜】EPSON EH-QL3000 「パワー」と「柔軟性」にレンズ交換機能を用いた「想定プラン」についてご説明します。

アバック横浜 渡邉です。

まずは宣伝を。
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リンク先のページ、最後の方に具体的な機種や情報が載っておりますので、リンクをご参照ください。
今回は長すぎて宣伝部分だけでは載せられないです……。

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本題です。
以前から何回か取り上げさせて頂いているEPSONのEH-QL3000ですが、現時点では6000lmという民生機としては破格のパワーが目立っております。
その点については以前書かせて頂いたブログが2つ程あり、基本的な性能などについてはこちらで解説しております。
【アバック横浜】EPSON「EH-QL3000」6000lmのハイパワーで「塗り潰す」既存プロジェクターとはスタンスの違う機材です。
そして、価格帯的に似ているDLA-V900Rと性能比較を考える方も多いのですが

この二機種は「性格がまるで違う」機種である事もお話しております。
【アバック横浜】6000lmのEPSON EH-QL3000とVICTOR DLA-V900R、どっちがいい?いえいえ、この2機種は「ライバル」でなく「戦友」の関係です。
正直な所、どちらもレンズ込みで250万円オーバーな「ウルトラハイエンド」な機種ではあるのですが、4K60P以上の映像が実質的にほとんど必要ない現状、これらの機種の「スタンスの違い」や「性格の違い」はこれらの機種をご検討いただける方(EH-QL3000の場合は「必要な方」「これでないと4Kスクリーンが不可能な方も含みます)にはどちらも非常に大きなアドバンテージを得られるものです。
DLA-V900Rはすでにいろいろなブログなどで書かせて頂きましたが「コンシューマーの暗室では最強のプロジェクター」と言う事が出来ます。
白のパワーではEH-QL3000には遠く及ばないものの、その暗さゆえに暗室ベースでの「8Kのアップコンバートの繊細さ」と所謂「黒の沈み込み」など、特に4K・8KHDRの『映像』を表現する事に対し、映画館の画作りとはアプローチが異なりますが「出て来る映像の『質』や『繊細さ』」に特化しています。
敢えて言えば「Dolby Theather」の画に近いと言うべきでしょうか。
実際150インチ以下の比較ではEH-QL3000の画が「相対的に荒く」見えてしまい、DLA-V900Rの繊細さにはかないません。
またSDR・HDRどちらのコンテンツでも繊細さが前面に出る事でまるで「『暗室条件』でテカらない有機EL」の様な画を表現できます。
他方、光量が3300lmとなりますので、適切なレベルを維持しながらのサイズはおおむね200インチまでとなります。
他方EH-QL3000は画質ではDLA-V900Rに及ばないものの「コンシューマーで言う「暗室」という条件の中では本物の映画館と同じ(IMAXシアターの様な)白ベースの絵作り」を作り出す事が出来「スクリーンでなければならない」と言う訳ではなく、壁面への投射と言う選択肢が十分成り立ちます。(ご相談ください)

また「SDR(通常の明るさのコンテンツ)については圧倒的なパワーで『明るい場所』でも視聴に支障のない、まるでテレビの様な「デイライトシアター」を作り出す事が出来る(これは業務用の利点に近いものになりますが)レンズ交換による投射距離や投射方法も加わって設置の柔軟性が比較にならないほどのアドバンテージがあり、デイライトでの「大型テレビ」としての使用目的としては最適と言う特徴があります。

他方、最大110インチの液晶などと比べると搬入や消費電力・地震等を考慮した運用・修理などの面で「投射」と言う方法を使うプロジェクターはトータルコストを考えれば相対的に有利となります。

実際150インチの投射では周囲を明るくしても眩いばかり(新幹線大爆破のタイトルが液晶の白みたいに輝き、周りは視覚的に真っ黒になります)の白が光る画作りになり、外光をものともしません。
また、6000lmというハイパワーである事から、コンシューマーの範囲ではスクリーンサイズが大きくなればなるほどDLA-V900Rとの差が広がります。この辺りの差は実感として分かるものですが、スタンスの違うDLA-V900Rでは不可能な画作りです。
この2機種は「テレビ的な画として最高の繊細差を狙う」か「本物の映画館と同じ画を求めるか」「超大型テレビとして考えるか」という使用目的や映画に対するアプローチ、そして「暗室の専用室で映像に没頭するのか」「リビングでスクリーンや壁面などを利用したテレビ的なものとして考えるのか」という建物の状況で「使い分ける」戦友的な機種と言う書き方をさせて頂きました。
そんなわけで今回はEH-QL3000の多目的な仕様のカギになる「レンズ交換」というもう特徴について「フォーカス」したエントリーを書かせて頂きます。

EH-QL3000というモデルは元々15000lm以上の明るさを持つEPSONの業務用高輝度機材をベースに「わざと明るさを落として」コントラスト表現(所謂『黒の沈み込み』)に振る、という仕組みで作られており「業務用をベースにした民生専用モデル」という性格を持っています。

つまり筐体そのものは業務用とほぼ同じと言う事です。
業務用の機材はその使用用途によって光量や投射位置、投射方向、投射距離などはさまざまであり「投射する」という目的は同じですが、民生用の様に1つの仕様で対応できるものではありません。
EPSON 導入事例 株式会社フェリーさんふらわあ 様
https://www.epson.jp/products/bizprojector/casestudy/ferry-sunflower.htm
業務用の場合プロジェクターによる投射は周囲の明るさに対してそれ以上の「パワー」で対応し、レンズの組み合わせにより機材の設置位置も比較的自由に変えて様々な要件に対応していきます。
これらの状況に対応するためには二つの必須要件があります。
一つ目は様々な特に暗室でない明光な場所での投射を要求された結果として、業務用の機材は「ハイパワーの白を投射して「白」と「黒」を作り出す力です。
これは外光の入光によるプロジェクター投射の拡散を防ぐレベルの白を作り出すと言う目的と、同時に白の反対になる黒に近いグレーを作り出し『黒』を作り出すと言う目的を同時に達成する必要があります。
この2つの要件がきちっとできれば「白(というより『明』)をベースで画面を塗り潰しつつ画素そのもので「黒」と「色」を表現する「白ベースの画作り」が可能となります。
(逆にDLA-V900Rは暗室の黒という前提条件の中「黒ベースの画作り」でむしろ白やそれに類似する発色を際立たせる事で画作りをしています)
そして白ベースの「白」のインパクトが強力な事から「黒」(実際には黒に近いグレー)については明光の中もはあまり「黒の存在が気にならなくなり」ますので、超高輝度プロジェクターの場合は暗室の中でこそ生きる大きなSコントラストはさほど(あればなおいいのですが)意味が小さくなります。
もう一つは様々な投射方法、投射距離に対して柔軟に対応する能力です。
この辺りはレンズ交換が絡んでおり、レンズの交換により超短焦点・短焦点・中焦点・長焦点の投射距離を変更できるシステム、さらにレンズシフト機能を組み合わせる事で、同じ目的に対して「機材を合わせる」事も「投射される側の投射面を変更する」というどちらのアプローチも取る事が可能となります。
また、曲面や角などの特殊な条件についても「特殊な条件のもとに投射する」と言う条件を組み込み、元映像をベースに『特殊条件に合わせた』映像を作成すれば、アトラクション設備のプロジェクションマッピング、アーケードゲームの曲面スクリーン投射など、街中でもその結果はいろいろな形で表示されています。
これらの機能には映像位置の修正、キーストン補正などいろいろな面がありますが業務用は必要な精度が桁違いで、民生用とは比較にならないぐらい厳しいものとなります。
この様な形でて業務用機材はベースとなる本体に様々なオプションで対応する事になります。
そしてEH-QL3000はこの「業務用をベースにした民生機」と言う生い立ちとなります。

そして今回取り上げるのは業務用出身という特性故、様々な状況に対応できる「レンズ交換」と言う点です。

写真はカバーを外したところですが、EH-QL3000は写真中央右にレンズのロック・アンロック機能があり、レンズの交換が出来ます。
そして勘違いをされている方も多いのですが、EH-QL3000は本体のみでレンズは導入時に別売りの機種から1つ別売で購入する事になります。

通常の民生機の様に本体価格=これだけでOKではなく、本体+レンズを揃えないと何もできませんのでご注意ください。
そして肝心のレンズですが、オプションページに本体色違いを除くと実質的に11種類のレンズが存在しており、本体発注時にこの中から1種類選んで購入する形となります。

レンズの種類は大まかに「超短焦点」「短焦点」「中焦点」「長焦点」の4カテゴリーが存在しており、短焦点と中焦点にはさらにレンズシフト量の多可で種類が異なっています。
すべてのレンズの共通点としては「レンズ性能的には」最大投射サイズが1000インチであると言う点ですが、これはあくまで業務用の数万単位の明るさを持っている事が前提であり、6000lmのパワーでは現実的には最大300インチ程度が限界だと思います。
では各レンズと想定される実例を紹介します。
最初は「超短焦点」レンズ。

ELPLX02WS最初は超短焦点レンズですが、こちらは1種類のみ、レンズの構造も「2回曲げて」本体後方に向けて投射する形になります。

機種としては過去発売されていたEH-LS500と同じ様な方式になっています。

超単焦点レンズについてはたの短焦点・中焦点などに比べて柔軟性では劣りますのでもしこのタイプのレンズを使用する場合「機材に状況を合わせ、若干のレンズシフトで合わせる」というプランニングになります。
そして最大の問題点は「価格」で、実売価格はなんと130万円オーバー。
本体価格並みのレンズを用いる事になります。
現実的には「どうしてもこれじゃなきゃダメ」という代替方法の無い状況以外は早々簡単に使用する事はない、と言うのが本当の所かなと思います。
尤も超短焦点レンズを用いた「応用を含んだメリット」も非常に大きいものがあります。

写真は「RRR」の1シーンですが、現実問題としてEH-QL3000は既存のどの機種よりも4K・HDRの映像であっても「目が覚めるような白ピークの高さ」を用いる事で映画館と同じ方法で映像を作成し『黒の沈み込みが気にならない』レベルの映像をデイライトで視聴可能」という状況を実現できます。
そしてこのメリットを超短焦点や短焦点レンズを用いて「通常ではありえない配置状況で実現できる」というのは、この方法以外ちょっと思いつきません。
また、これだけのパワーがありますので、他の超短焦点プロジェクターの様に「テレビの様に用いるには超短焦点専用のスクリーンでなければダメ」と言う事もなく、おそらく通常のパネルスクリーンやホームシアター用の壁材などを用いた「壁面」を用いてEH-QL3000を天吊りで機材を設置する事で「床には何もないのに壁面がいきなり150インチオーバーのテレビになる」と言う使い方も可能かと思います。
(ケースバイケースですが、カーテンなどによる外光のコントロールは必要に事もあるかと思います)
現実的には大サイズには壁の高さも必要になりますので吹き抜けなどの条件も絡んでくると思いますが「狭い部屋でも本格的でオーバー150インチ以上の大画面テレビを作りたい」というご希望、且つ費用面を横に置いて「用を成す事」が最優先の場合に適応できると思います。
超短焦点を用いた仮想プランニングとしては下記のような形になります。
こちらは幅4095(910×4.5)、奥行3640(910×4)天高2400(一般的な天井高)のお部屋(Vaulted ceiling, large white wall)で壁を使い150インチ巨大テレビを想定しています。
今までにない方法で近距離大画面を実現するにはこの超短焦点レンズ以外で実現する事は困難であり、唯一でもあります。
設置方法は天井吊りになりますので、オプションの天板を入れると上下逆転させてこんな感じの設置になります。

もう一つ。
大きな家で吹き抜け(想定では4mにしています)前提ですが、天井と壁(ハイパワーなので無理にスクリーンである必要はなく、スクリーン用の壁紙などを使っていただく事になります)状態でELPX02Sを吊り金具+延長パイプを使用してリビングの一部に200インチクラスのテレビを超短焦点でも行う事が出来ます。
200インチクラスとなると必然的に壁が高くなりますので、機材の位置を高くすることが可能となる事で可能な方法です。
実際にはスピーカー配置がありますので横幅は5460必要ですが、奥行きは2730でもいけますので、小さい部屋やエリアでも巨大な投射が可能です。
正直、ここからサイズを小さくするのは簡単ですので、ご相談に応じる事も可能かと思います。

次に種類の多い特に主力となる「短焦点」「中焦点」についてはレンズによって投射距離が異なっており、この辺りは16:9や4:3など投射比率も絡んできます。

短焦点の場合
投射距離が足りない、だけど大きな画面を見たい。そんなユーザー様の助けになります。
想定プランでも上げますが座席の後ろに吊るのではなく座席の前に置くなどの方法を取る事ができます。
想定プラン:ELPLU04と金具ELPMB67を使用した奥行き4.55m、天高2.4mの状況で「椅子の前にテーブルを置き、プロジェクターを内蔵する形」で150インチサウンドスクリーンの実現を想定しています。
また、先程の吹き抜けなどの条件を加味すればさらに巨大なスクリーンを実現可能です。
設置プラン:ELPLU04+ELPMB67(460)+ELPFP15で幅8.19m、天井高さ4.55、mの吹き抜け天井を使用し、奥行き5.5mで作成できる300インチ壁面テレビを想定しています。
中焦点について:
中焦点、というより通常焦点のレンズは一番一般的なプロジェクターと同じ様な設置方法を使う事が出来ます。
仮にEH-LS12000と同じ様なものだと……中焦点のELPLM15(100インチ3.35m、120インチ4.03m)当たりかなと。
レンズに費用が掛からない割にハイパワーと言う事で、4K120pと言う現時点で実用的なホームユース利用の暗室では「本物の映画館」と同じ様な画を出すことが出来る事が出来、SDR系の映像であれば明るくても問題はありません。さらに大画面になればなるほど効果の実感が出来る点が大きく上げられます。
設置プラン アバック横浜シアタールーム
150インチで6000lmのパワーで所謂「デイライトシアター」を実現可能……店舗で実践している方法です。
幅3.64m、高さ2.85m、奥行き6.4mというアバック横浜のシアタースペースで150インチスクリーンに表示しています。

ほぼズームを使い切る形で使用しており、ブログ・Xの写真などはこのセッテイングで撮影しています。左右はガラスで外光が入る環境です。
最後に長焦点ですが:既存の設置方法では出来ない場所から大画面を実現可能。ELPLL08を用いて、25m以上の長距離から200インチの実現が可能。と言う利点がありますが通常の使用方法ではほとんど使いません。
使用プランとしてはELPLL08を運用した場合、仮に120インチで計算しても最短距離でおおよそ14.6m。

デジタルサイネージでもない限りこんな使い方はまずしませんが、こういう事も出来ると言う事例として出させて頂きます。
如何でしょうか?
既存の機種は「機材の制限に部屋を合わせる」という形でスクリーンの大きさや投射距離などが固定された既存機種と比べ、レンズ交換式は費用の問題こそありますが超短焦点から短焦点・中焦点など投射方法や投射位置にかなりの柔軟性が出来ます。
特に建築の段階でお話を頂ければ、そのハイパワーを生かして壁面使用の巨大なテレビ、狭い部屋での大画面シアター、大画面デイライトシアターなど、様々なパターンの実現が可能であり、また、お部屋を暗室に出来れば「映画館と同じ方法で画を出す」ことが出来ますので「より本格的な映画館」という目的を実現する事も可能になります。
EH-QL3000の導入には事前のご相談が必須の商品になり、本体納期とレンズ納期はおおよそ3か月となります。
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