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【横浜店】ご質問への回答:ピュアオーディオにサラウンドって追加できますか?接続方法と機材入手についてご案内します。

横浜店 渡邉です。

まずはご案内。

下取商品については条件により買取の数字が上がります。
商品購入と同時の下取がお勧めです。

では本題です。
今回は最近多いご質問への回答と言う形でお話をさせて頂きます。

さて、最近多いご質問です。
「今ステレオをやってるんだけどここにサラウンドって追加出来るの?」
・・・・・・コロナ禍が続く中、自宅で過ごす時間が増えたので、既存のステレオのシステムをお持ちのお客様からサラウンド「も」やってみたいという趣旨のご質問です。
このご質問内容だけでは抽象的ですが、お話をお伺いすると概ね「自分の持っているピュアオーディオシステムににサラウンドを追加できるのだろうか?」と言う点に集約されます。
今回はこの質問への回答をさせて頂きます。

まず全体的なおさらいです。

ピュアオーディオの場合、基本的には2chのシステムです。
機材構成は本体とアンプ、そしてスピーカーとなります。
入力機材も2CH入力となります。

これに対して現在のAVアンプは昨今の立体音響への対応から多チャンネル化しており、多機の入出力機能を内包しつつあります。

そして上記はDENON/MarantzのHEOSユニットで得られる機能の一部です。


勿論、上記の表示の様なBluetooth、Airplay2、Spotify、サーバー上の音源再生、一部音楽ストリーミングサービスのほとんどを同時にかつ比較的安価で追加する事が出来ます。

写真はAVC-X8500Hですが、HDMIの入力が複数とHDMI出力が単数、または複数出力可能なHDMI2.0のスイッチャー機能が付加され、サラウンド関係はAVプリパワーゆえのスピーカー出力機能が付与する事で元々の2chに3.1CHを追加して5.1CHと言うケースだけではなく、本体の能力と増設するスピーカーのチャンネル数により、5.1.2CH以上の所謂「イマーシブオーディオ」が実現可能となります。
また、概ね9ch以上の上位モデルでは、チャンネル分のプリアウト機能が付加され、HDMI入力からアナログへの音声変換を行う事が可能です。
特にDENON AVC-X8500HAなどカスタムモードを持つ機種と外部アンプとの併用を行う事で、複数スピーカーへのBI-AMP駆動(5CH BI-AMPも可能です)やマルチスピーカー駆動が使用可能になります。

ピュア+AVシステムの事例
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マルチスピーカーの事例:マイホームシアター570
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今回の様な「サラウンドを追加したい」とお考えになる方の大多数は単にスピーカーシステムを5CH化するというだけでなく、AVアンプの機能を追加する事で生じる各種の対応機能に対応できる面からも恩恵が大きいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
そのあたりのご希望を踏まえて、ここからは「ピュアオーディオにサラウンドを追加する」方法についてご案内させて頂きます。

さて、今回の「ピュアにサラウンドの追加する」のご質問は、出来る出来ないという問題もありますが「AVアンプの機能を使用する」という方法論の部分があります。
AVアンプの機能を享受するという点で考えた場合、方法は2つ存在します。
一つ目の方法は「サラウンドのシステムの先にピュアオーディオシステムを『直列』に追加し、一体的に運用する」方法
もう一つは「ピュアオーディオのシステムにサラウンドのシステムを『並列』に追加し、それぞれを別に運用しつつピュアオーディオでAVアンプの能力を享受する」方法
この二つの方法かと思います。
今回は質問の意図に対して正確な回答、且つほとんどの方がご希望になっている「ピュアオーディオにサラウンドのシステムを追加し、一体的に運用する方法」を「直列繋ぎ」として扱い
『直列繋ぎ』が必要とする条件を満たす事が出来ない方に対して、ピュアオーディオにAVアンプを併設し、AVアンプが持つ機能を部分的に享受する方法を「並列繋ぎ」として扱います。

では、それぞれの方法について解説します。

ステレオとサラウンドの共存:その1「直列繋ぎ」
今回、頂いたご質問への「正解」はこちらかと思います。
ざっとした回答としては「AVアンプのPRE OUT端子を用いてAVアンプの「先」にステレオアンプを「直列」に繋ぐ方法」です。

アンプ同士を直列に繋いだ場合のシステム運用としては、2CHステレオ運用時はピュアオーディオシステムのみ稼働し、サラウンドとして使用する場合はステレオアンプとAVアンプの両方を稼働させて

フロント2ch分をステレオアンプに任せ、残りのセンターやサラウンド、ミドルレイヤースピーカーの駆動をAVアンプで行う形となります。
二つのアンプを「直列繋ぎ」で接続する最大の利点は「ピュアオーディオシステムとAVシステムの効率的な運用が可能である」事です。
ピュアオーディオの場合は今までのシステムを同じ、サラウンドシステムを追加する場合はAVアンプの電源を入れ2台のアンプを運用すれば両者は同じスピーカーを共有できます。

更に大きな点かと思いますが、今までご自身の使用されていたフロントスピーカーはあくまでピュアオーディオシステムの中にありますので、AVアンプの音に左右されず、今までの音で使用が可能です。
実はこの「直列繋ぎ」は新規のピュアオーディオ+サラウンドシステムを構築する場合にはほとんどこの方法が取り入れられております。
それ故方法自体は以前から何回かご紹介しておりますが、導入には若干「条件」があり、直列繋ぎ故の「欠点」もあります。
この辺りは全体的な説明の後で書かせて頂きます。

では、実際の接続方法、そして運用について解説します。
まずは「直列繋ぎ」の「上流」となるAVアンプです。
当時店頭展示しておりましたのMarantzのSR8015(販売終了)を事例とします。

そしてSR8015の背面がこちら。

リアには11.2CH PRE OUTがあります。
これが「条件」の一つ目です。
条件その一:最低でもFRONT PRE OUT出力の有るAVアンプを使用する事
AVアンプは基本的にHDMIで接続する機器がほとんどです。
このためHDMIで接続したデジタル信号をアナログ信号で取り出す必要があります。

今回は写真で表示された「11CH PRE OUT」のFRONTからLチャンネルとRチャンネルの出力を取り出し、ここからピュアオーディオ
アンプに接続します。(すいません写真ではLR逆です。実際の運用では直しております)
実は廉価な機種ではこの「PRE OUT」がない機種も多く、今回の「直列繋ぎ」を行うには一定レベル以上のAVアンプが前提条件です。
現行機種で具体的な機種として
DENON AVR-X3800H以上の機種(AVC-4800HAVC-X6800HAVC-X6700HAVC-X8500HAAVC-A1H

Marantzは Cinma70sCinema50Cinema40Cinema30

Marantz Cinema70S
https://www.marantz.com/ja-jp/product/av-receivers/cinema70s
Marantz Cinama50
https://www.marantz.com/ja-jp/product/av-receivers/cinema50
Marantz Cinema40
https://www.marantz.com/ja-jp/product/av-receivers/cinema40
Marantz Ciname30
https://www.marantz.com/ja-jp/product/av-receivers/cinema30

もちろんAV10も対応です。

YAMAHA RX-A2ARX-V6A以上の機種

YAMAHA RX-V6A
https://jp.yamaha.com/products/audio_visual/av_receivers_amps/rx-v6a/index.html
YAMAHA RX-A2A
https://jp.yamaha.com/products/audio_visual/av_receivers_amps/rx-a2a/index.html
となります。
後はPioneer VSA-LX805

Pioneer VSA-LX805
https://www.pioneer-audio.jp/vsa-lx805
とOnkyo TX-RZ70

ONKYO TX-RZ70
https://www.onkyo-audio.jp/tx-rz70
具体的にはプリアウト フロントLRが付いている機種と言う事になります
なお、Cinema70S、RX-V6A、RX-A2AはHDMI出力が一系統となり、テレビとスクリーン(サウンドスクリーンを含みます)の両方を用いた2wayシアターには適用できません。
2Wayシアターの場合はDENONはAVR-X3800H、MarantzはCinema50、YAMAHAはRX-A4A以上となります。

次に「直列繋ぎ」の下流に当たるピュアオーディオ機器です。
こちらは今回の為にお借りしたDENONのPMA-A110ですが

DENON PMA-A110
https://www.denon.jp/ja-jp/shop/denonapac-amplifiers_ap/pmaa110
背面には・・・・・・EXT.PREの表示があります。


これが「直列繋ぎ」条件その二となります。
条件その二:AVアンプとの連携を念頭に置いた端子を持つピュアオーディオアンプを使用する事。
または「0db」運用ないしAVアンプとピュアオーディオアンプ両方で音量の調節を行う事。
今回、PMA-A110に装備された「EXT.PRE」とはDENONの一定以上のアンプに装備された「External Pre-amplifier input」の略称です。
最初に出した図では「パワーアンプ」と表記された機材の「AUDIO FRONT」と表記されているのがこれに当たります。

こちらにAVアンプの「PRE OUT」からの入力を行うと、PMA-A110の入力切り替えを「EXT.PRE」にした場合「のみ」PMA-A110の「プリアンプ部分」をバイパスし、PMA-A110をパワーアンプ化します。
このため、ピュアオーディオのシステムはサラウンド運用時パワーアンプとして使用する事になります。
パワーアンプ化と言う事は、基本的に音量のコントロールは外れてアンプ部の出力段は基本的に「0db」(-20dbなどのモデルもあります)状態で稼働しており、全体の音量コントロールは入力側にゆだねる事になります。
既存のユーザー様にはこの「0db」条件がネックになります。
ここもご質問の多い部分ですが、実際の「音」についてはAVアンプの音色+パワーアンプの音色の足し算となります。
全体的にはセンターとリアの選択次第の部分もありますが、基本的にピュアオーディオシステム側の音に近くなるものとお考え下さい。
この辺りはセンターとリア、ミドルレイヤーのスピーカーについても「とりあえず」の割り切りで考えるか、全体のレベルを合わせる方向で考えるかによりだいぶ状況が変わるかと思います。
JBL系の場合はセンターなしなども選択肢に入ります。

さて、この「0db」と言う言葉、オーディオユーザー様から見た場合は少し怖い表現ではないでしょうか。
長々と書きましたが、この点「0db」がAVアンプとの連携に対応していない機器で「直列繋ぎ」を行う場合、最大の欠点となります。
AVアンプとの連携を念頭に置いていないステレオアンプの場合、連携を念頭に置いていないアンプと同じことをしようとすると、この「0db」をやらなくてはいけなくなります。
「0db」と言う言葉は「ピュアオーディオアンプでボリュームを最大まで上げる」と言う言葉とほぼ同じ意味です。
もちろん実際の運用では「AVアンプとピュアオーディオ両方の音を調整する」と言う方法も取る事が出来るので絶対的なものではないのですが、それでも比較的大音量の部分で調整するしかなく、AVアンプの音場・音量調整の際には一定の音量で調整が必要になるため、特にオブジェクト型のサラウンドでは調整がそれなりにシビアです。
まして0dbのままで間違えて入力を切り変えたら、そのままで音声が入力されたら……敢えて結果については書きませんが、怖いですね。
これに対してAVアンプと連携する事を念頭に置いた装備を持つ機種では、AVアンプのPRE OUTの入力時のみピュアオーディオのプリアンプ部分を切り離すという工程になります。
仮に入力をCDやPHONOに切り替えた場合でも、物理的なボリュームが最大でもない限りプリ部分の音量コントロールが入りますので、このようなリスクはありません。
AVアンプとピュアオーディオアンプで「直列繋ぎ」をご希望の場合、まずはピュアオーディオ側が「パワーアンプ化」に対応している事を確認して頂いた上でシステム構築をお考え頂く様、お願い申し上げます。
なお、この「パワーアンプ化」については、接続する端子の機能としては同じなのですが、その「表現」に「方言」があります。
AVアンプ連携用の端子として実質的な機能は同じものですが「方言」は下記の通りです。
DENONの場合は「EXT.PRE」
Marantzの場合「POWER AMP IN」
YAMAHAやアキュフェーズの場合「EXT.IN」
LUXMANでは「SEPARATE」
Esotericの場合「EXT.PRE IN」(XLR端子です。ご注意)
など、その他メーカーの場合はメーカー様に事前にご相談いただくか購入の前にご相談ください。
2022.11.12 追記:AVアンプにピュアオーディオアンプを直列繋ぎするケースの中で

「安いピュアオーディオアンプを繋いでも効果があるのか?」と言うご質問がいくつかありましたが、実はこの辺かなり微妙な所です。

最近発売されたAVアンプでは、多チャンネル化に伴いフロントBi-Amp化(倍入力)などが楽に行える機種があります。
このため、ピュアオーディオシステムを直列接続したいというご希望の中で「パワー感がない」「圧が足りない」と言うケースの場合では、AVアンプ側の機能で補える可能性があります。
以下、手順です。

1、まずAVアンプのみで接続し、音色、音圧をご確認下さい。

2、次に設定を変えてフロントをBi-Ampに設定し、スピーカーの接続もBi-Ampに合わせてください。
音の分離とパワー感・量感が変わり、レベルが上がりますので音を確認します。


もし、このBi-Ampでご満足できない場合、お安いピュアオーディオアンプではパワーの面では追加の意味がほとんどなくなるケースが出てきます。

特に新規にピュアオーディオを購入する場合は、先にここまでやった後でピュア側の機種選定に入ってください。(結果として中位以上のアンプになるかと思います)

逆にすでにピュアオーディオで直列接続が可能な機材をお持ちであり、且つAVアンプが中位以下の機種では、AVアンプのプリアウト経由接続前・接続後をそれぞれお試し下さい。
結果によってはスピーカー切替機を介した並列繋ぎも検討範囲となります。

それでは次の手法、アンプを「並列繋ぎ」で運用する方法です。
ステレオとサラウンドの共存:その2「並列繋ぎ」
今回の「並列繋ぎ」はピュアオーディオシステムはそのままで「副システム」を構築し、AVアンプを利用したシステムはあくまで「ZONE2」の別システムとする事で、AVアンプの「機能的な部分」を享受するという方法となります。


並列繋ぎの利点としては最初に上げられる点は、前提条件として物理的なスピーカー増設になりますので、切替機などを使わない限り既存のシステムを弄る必要の無い事です。
もう一つの利点にして最大のポイントは、基本的にどこまで古いオーディオシステムでも理論上は対応が可能と言う事です。
では、実例を出したいと思います。

この写真はDENON AVR-X2700Hです。
https://www.denon.jp/ja-jp/shop/denonapac-avreceiver_ap/avrx2700h
本体価格は10万円以下、比較的廉価なアンプですがHDMI出力も2系統存在し、ホームシアターの入門機としてお勧めしている機種となります。

背面はこの通りで、HDMI2.0、HDMI2.1、HDCP2.3、eARCと最新の規格に対応しながら、出力面では『直列繋ぎ』に必要な「7.1CHPRE OUT」はありません。
その代わり「ZONE2」のプリアウトとサブウーファーのプリアウトが用意されています。
(サブウーファープリアウトは電源内蔵型のサブウーファーを使う場合普通です)

ここにRCAケーブルを接続します。


並列繋ぎの場合、ピュアオーディオへの接続は「AUX」扱いとなり、プリパワーアンプの場合プリ部を経由してパワーアンプを駆動します。


接続先のピュアオーディオはAVアンプとの連携は関係なく、音量コントロールも「AUX」で行う事から、AVアンプの持つBluetoothやAIRPLAY2など音楽系の多機能性をアナログに変換して享受する事が可能です。
音量についてはAVアンプの持つ「マルチゾーン」機能を用いる事で、外部出力音声の音量の可変・固定が出来ます。

ZONE2自体の運用はそう難しくありません。
まず、アンプの「ZONE2 ON」ボタンを「本体側」で押します。
※スイッチの工程はリモコンでもできますが、操作に慣れないうちにリモコンで行うと、メインゾーンとの切り替えで混乱する事がありますので慣れてからやってみてください。


AVR-X2700Hの場合、ZONE2は利用できるソースが決まっております。
以下、ZONE2の注意書きです。
メインゾーンおよびゾーン2で同時に同じソースを再生することができます。
また、メインゾーンおよびゾーン2で別々のソースを再生することもできます。
ゾーン2の入力ソースを“Source”(メインゾーンと同じ)に設定している場合は、デジタルとアナログ両方で接続された機器をゾーン2で再生することができます。
ゾーン2の入力ソースを特定のソース(CBL/SATなど)に設定している場合は、アナログ接続された機器のみゾーン2で再生することができます。

今回のケースではメインのスピーカーと「副システム」のスピーカーを同時に鳴らす事はありませんので「SOUERCE」であればHDMI入力の機材やAIRPLAYなど
写真のように「HEOS」であればネットワークサーバー、Bluetoothなどを使用する事が可能です。

この元年はZONE2の音量調整ですが、表示が70の場合-10dbに相当します。
音量は実質的なプリアウトのような固定や70以上の音量も設定できますが、この辺りも慣れてからの方がよろしいかと思います。

サラウンド音響については使用したアンプのレベルと「副システム」のスピーカー数次第ですが、仮にステレオをメインにする場合、ZONE2OUTが存在する廉価なアンプであってもの5.1CH程度なら「とりあえずのサラウンド追加」として概ね何とか出来ます。
現状、この「並列繋ぎ」に対応した具体的な機種としては
ピュアオーディオ側:AUXの入力があれば機種を問いません。
AVアンプ側
DENON AVR-X2700H以上の機種
Matantz AVアンプは全機種
YAMAHA RX-A2A/V6A以上の機種
このクラスであれば、アンプの「並列繋ぎ」として副システムの構築に使用できます。

但し、アンプから先の4KテレビからのHDMI-ARCなどの音声はHDMI経由のZONE2では遅延しますので、テレビ等の音声は2chに限り光デジタル端子での接続となります。

そして「並列繋ぎ」の弱点ですが、ここまででお話した「0db」の問題以外にもいくつか存在します。
ここで弱点二つ目です。
単純にスピーカーの数が増えます。

具体的には正システム(ピュアオーディオ)が二本、そして副システムとしてサラウンドシステムのフロントが二本の、合計四本のスピーカーが並ぶ事になります。
このあたり、実は設定の方法次第ではPRE OUTの二本運用にかなり近い所まで運用は可能なのですが、ちゃんと設定方法を理解しないと先程の「0db」問題に掛かりますので、敢えてここでは紹介しません。
最後の弱点、それは「連携性」です。
「並列繋ぎ」の場合、AVのシステムとは別システムを構築する(ZONEを分ける)為、サラウンドとして構築したAVシステムと、ピュアオーディのシステムは一体運用は出来ません。
具体的にはZONE1のAVシステムとZONE2のシステムは同一のタイミングで音が出ませんので、同じ音を鳴らした場合ピュアオーディオのZONE2は音が遅れます。
イメージとしては「静かな湖畔」や「蛙の歌」の輪唱を思い出して頂ければよろしいかと思います。

離れた場所で鳴らすのであれば問題を感じずらいのですが、同じシステムと言う括りはとてもできないレベルです。
なお、この問題はそのまま「並列繋ぎで仮にピュアオーディオのスピーカーに切替機を入れたとしても音が遅れるのでサラウンドのAVシステムとの一体運用は出来ない」と言う事になり、切替機を入れたいとお考えの段階でピュアオーディオアンプの更新を行う『直列繋ぎ』にする方法を模索する事になります。
また、ゾーン分け伴う機材並列化を行う場合、サラウンドシステムはフロントも含め新しく導入する「副システム」で稼働する事になります。
『並列繋ぎ』の場合、将来的ににサラウンド機材をグレードアップして直列繋ぎに変更したり、結果として買取価格が低くて場所を取る事から機材をまとめて他の方に譲られる場合もあり得ますので、最初は極端にハイレベルなスピーカーでなくともよいのかと思います。
ここまでが接続の方法となります。
ずっと読んで頂いて上で、どちらかをご選択して頂く事になります。

2023.2.18:ご注意事項追記:
本エントリーに非常に多くの問い合わせが届いております。ありがとうございます。
同じ質問が多いことから注意を喚起させて頂きます。
今回の説明はAVアンプとピュアオーディオの「接続方法のお話」となり、それぞれの接続方法可否などについてはピュア・AV双方の対応が必要になります。
個々の現状をベースにした
ご質問に対してはケースバイケースであり、ご希望の方は機材情報などをお伺いしたうえでご相談としてお受けする事は可能です。
また、特に大事な部分ですが『直列繋ぎ』の出来ない「オールド機種」の場合、直列接続への対応はそもそも考えられておらず、今回の方法では「並列繋ぎ」が前提になります。
それでも「直列繋ぎ」を敢行する場合、オールドアンプ側は所謂「0db」、最大ボリュームでパワーアンプ化する事になります。
システムの音量はAVアンプからのコントロールという方法になり、うまくいけば相乗効果で素晴らしい音になりえるのですが、一歩機材コントロールを間違えると機材損傷、何より
お耳へのダメージの可能性が高くなります。
現在のデジタル中心の状況から考えれべ、オールアナログのオールド機材は今となっては貴重でかけがえのない機材です。
私個人としては、よほどの事前準備と知識をお持ちでない限り『直列繋ぎ』行わないことを強くお勧めします。

「やっぱり直列繋ぎだよね。元のスピーカーは使えるし。サラウンドは別に揃えればいいし」

『直列繋ぎ』の最低ラインは、先程のピュアオーディオ関係のシステムの構築が可能、または0db運用の自己責任が取れる事が最低限の前提条件です。
AVアンプ選定は最低限Marantz NR1711(フロントLRのみ)となり、DENONではAVR-X3800H以上となります。
このクラスの商品はローからミドルレベルの機種ですがHDMIの入力が複数用意されており、しかも4K入力どころか8K入力にもに対応し、eARCなどの連携も可能です。

なお、これらのクラスより上のアンプであればクオリティも上がりますのでよりピュアオーディオに近づけたシステム構成が可能です。



実例を挙げればDENON AVC-X8500HA、Marantz Cinema40、YAMAHA RX-A6A、YAMAHA RX-A8Aクラスとなります。
特にAVC-X8500HAはカスタムモードが存在し、内部アンプの出力先を柔軟に変更できます。
アンプの揃え方次第ですがフロントはピュアオーディオの直列繋ぎ+センター、サラウンドスピーカーは「全部」
BI-AMPというパワフルなやり方も可能です。

次に、もう一つの御判断。

「わかった。ZONE2の並列繋ぎにしようと思う。で、とりあえず対応するアンプとサラウンドスピーカーを5本そろえたいんだけど」
まず『並列繋ぎ」のアンプについては先程書かせて頂いた通り、ハイレベルでなくとも何とかなります。
DENON AVR-X2700H以上、Marantz Cinema70Sヤマハ RX-V6ARX-V6Aクラスをお勧めします。
もっと安いもの……と言うお声については、仮にDENONを基準にした場合
AVR-X1700HはZONE2がなく、ピュアとサラウンドを独立したシステムとして運用するには必要な性能を持っておりますが、音の面でご満足は難しいかと思います。
AVR-X550BTはピュアオーディオユーザーから見て『鳴っている』状態ですが、質の面でAVR-X1700H以下であり、お勧めしません。

次にスピーカーについてですが、昨今の物流事情や全体的に安価なシステムは全体のリセールバリューがかなり厳しい点、設置が容易な点を考慮し、現時点で入手が簡単で『とりあえず5CH』の低価格スピーカーを上げさせて頂きます。

弊社ではUnisonicのフロアスタンディングAHT-250F2やテレビ横に載せられるコンパクトトールボーイAHT100Fクラスを2セットセンターで+ケーブルで5.0CHのアンプ込みを作成した場合、概ね15万円以下になります。
もうワンランク上げてParadigm MONITOR SEクラス(白いスピーカーです)やMonitoraudio BRONZE、POLK Audioなどで25万円クラス。
鳴らそうと思えばB&W600クラスまではなんとかなるかと思いますが「とりあえずの」サラウンドとして考え、あくまでのメインは既存のステレオでも良いのかなと言う気がします。
2022.3.27追記:今回は設置のしやすさを最優先しておりますが、ご指摘いただいた通りブックシェルフタイプのスピーカーでサラウンドシステムをテレビの横に置くという方法も正解の一つです。
センターの配置をどうするか、センターなしの「ファントム」で対応するかについてはここのお客様の御判断になるかと思います。

ここまでが「直列繋ぎ」「並列繋ぎ」の概ねの説明となります。
なお、ここまでの説明ですでにお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、今回ご紹介したPMA-A110の様に「直列繋ぎ」と「並列繋ぎ」のピュアオーディオのシステムが「直列繋ぎ」に対応している場合は方法次第で「並列繋ぎ」の両立も可能です。
今回はあくまで「直列繋ぎ」が出来ないアンプをお持ちでAVアンプの持つ多機能性の恩恵を得たい場合の方法とお考え下さい。
また、ここまでのご説明で下記の様な疑問を持たれた方もいらっしゃるかと思います。

「でもこれってそれぞれの機能をそれぞれのアンプ繋いだほうが早くない?」

「2CHならUSB-DACで繋げば機能的には問題ないでしょう?」

はい、今回は「ピュアオーディオのシステムとサラウンドのシステムを両立、または共用する」事を念頭に置いており、そのための方法として「直列繋ぎ」と「並列繋ぎ」をご紹介しておりますので、サラウンドが必要なければ無理にこのようなつなぎ方をする必要はありません。
現状、SACDの5.1CHを実現しつつピュアはピュアで楽しみたい場合はフロントの2CHスピーカーに合わせたセンタースピーカーとリアスピーカーを使った「直列繋ぎ」が必須になります。
なお、昔の5.1CHまたは7.1chアンプを光デジタルやiLink、アナログマルチなどでSACD5.1ch用として使用されている場合、理論上は直列が可能ですが音色の問題があります。
そうなると「じゃあAVアンプPRE OUT5.1Ch→AVアンプPRE INで元のアンプを維持しつつ4K・8Kやイマーシブオーディオも含めて何とかならないかな?」
と思う方もいらっしゃるかと思いますが、これはほぼ不可能です。
理由としてはDolby AtomsやAuro3Dなどの立体音響(イマーシブオーディオ)は基本的に音出しのタイミングがミリ秒単位でコントロールされており、結果として音量のコントロールはすべて新しいアンプになります。
つまり旧アンプはパワーアンプ化として0db運用するほかなく、音量は新しいアンプでコントロールしなくてはなりません。
HDMI ARCやHDMI CECなどの外部入力変更コマンドが働くと簡単に入力が変わるAVアンプでは予期せぬ大音量事故の可能性が高まりますし、危ないです。
ストリーミング機材を用いずにサラウンドと各種配信システムをリーズナブルに導入したいというお声であれば「並列繋ぎ」は慣れ親しんだご自身のアンプに最新のストリーミングと簡易なサラウンドを提供できるようになるかと思います。
もう一つ。
「AVアンプだけでピュアオーディオにも対応できるようにできない?もう機材纏めたいんだけど」
この辺りは「拘り」と駆動するスピーカー次第だと思います。
ピュアオーディオユーザー様の大半は音に拘りをお持ちです。
そして、スピーカーの駆動能力はカタログスペック以上の実感覚的な部分で大きな差があります。
以前AVアンプでJBLのProject K2 S9900をAVアンプ単体とMcintosh MA8900を直列接続してそれぞれ駆動してみた事があります。

AVアンプは当時最もピュアオーディオの色が濃いと言われ、ほぼやりたい放題のハイスペックだった限定品DENON AVC-A110(販売終了です)を用いました。
フロント2CHはBi-Ampで駆動する様に運用し、やろうと思えばB&W702S2 Signitureクラスでは十分過ぎる程、802Diamondでもそれなりに鳴らせるアンプです。

それでもS9900は駄目でした。
何と言えばいいのか表現が難しいのですが、比較してしまうと「音が薄い」という印象になります。
勿論K2 S9900というハイレベルな物と言う事もありますが、Mcintosh MA8900を経由した音には音の厚み、深みなど、感覚的な部分で差があります。
理論上のパワーはともかく、現実的に「ピュアオーディオと同じ音」で動かす事はかなり難しいというのが実情です。
仮にAVアンプだけでまとめるには「性能的な妥協」が必要になります。


2022.3.27追記:追加するサラウンドシステムについて「フロント3本だけじゃダメ?」「フロント2本、リア2本は駄目?」と言うご質問がありました。

サラウンドの意義を考えればできればセンター込みで5本、またはそれ以上の方がいいんじゃないか、とホームシアターの店舗店員としては思います。
詳細はここから先に記載しておりますが、仮に単にテレビの音をと言う事であればほとんどの部分で2chと言う事になります。
そういう事なら純粋にステレオベースで考えてBluesoundのNODEを追加する方法、Marantz MODEL40N新しい世代の2CHアンプの導入、制限付きですが光デジタル出力でも良いかと思いますので、サラウンドと言う点で考えれば最低ラインでフロント
3本(リアはバーチャルサラウンド併用)ないし2+2(フロント二本、センターは合成、リア二本)は欲しいところです。

ただ単にテレビの音声を2CHで出力するだけであれば方法はもっと簡単です。

HDMI ARCを内蔵したBLUESOUNDNODEPOWERNODE

そしてやはりHDMI ARCを装備したMarantzのMODEL40Nや光デジタルでよければPM7000Nなどでシステムをまとめればスッキリしますし

BLUESOUND NODEGenelec G-TWOの再生専用機+アクティブスピーカー

KEF LS50Wireless2など単体でHDMIARCを持つアクティブスピーカーを使えばこちらもすっきりします。
この辺りはご使用環境やシステムによって変わってきますので、別途ご相談ください。
今回は少し嗜好を変え、このところ多く頂いている質問に回答させて頂く形を取りました。
これからもご質問には対応してゆきますので、よろしくお願い致します。

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